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海竜物語第1話!
何気ない日常から突然景色は変わります。
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海竜物語第1話!
何気ない日常から突然景色は変わります。
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全て失った俺たちへ
全て手に入れたお前たちへ
一体この先、神はどちらへ味方とするのだろうか・・・?
海竜物語 ~1話 雫~
私は目を開いた瞬間、思考がほぼ停止していた。
目の前には美しい海があり、背後には今にも全てを飲み込みそうな深い森がある。
この辺ならまだ、自分が住む島かと思い込んではいられるはずだった。
記憶が正しければ、真人に言われるまま後に学校へ行き、あまりにも退屈な授業で夢見モードに入り・・・。
とにかくアレですかね、誰かの悪戯でわざわざ私を抱っこしてここまで連れて行く変人は居ないよねとの話。
私が一瞬でここは自分が住む島ではないと分かったのは・・・砂であった・・・。
辺りに広がる砂は・・・何と水色!最初は綺麗だとは思ったが、後に謎が頭の中に襲い混乱してくる。
一発で普通ではないと分かったものである。
漣立てる音以外、何1つ音が聞こえない。
直ぐにここにいるのは私一人なのだと、孤独感を感じさせられた。
何故私はこんなありえないところにいるのか。
何故こんなところに連れ込まれたのか。
そんな答えなど見つかるはずがなかった。
「そんなところで何をしている?お嬢さん。」
「!?」
不意に誰も居ないはずの背後から声がかかり、私は振り返った。
漣が邪魔をして足音をかき消したのか、それともただ単に気配を隠すのが上手いだけなのか・・・。
ただ感じたのは、一瞬現れた風の流れ・・・。
私の方へと歩み寄って来るのは、10代後半ぐらいの若い青年である。
黒いバンダナにキラリ光った金色の細い髪、黒いジャケットに身軽そうなズボンとブーツを履いている。
これらを見ればまぁ多少は怪しいものの、普通に居そうな人であった。
そう・・・これ以外のものを見なければ・・・。
「え・・・えっと・・・、ちょっと気がついたら迷子になってて・・・。」
「・・・・・・。」
何も悪いことなどしていないはずなのだが、私は自然に申し訳なさそうな動作をしてしまった。
目を逸らそうともしたが、「道案内して下さい」なんて言えるほどの勇気なんてないし・・・。
言わば私の心はチキンハーツ♪(黙れ
青年は少々戸惑っているのか、ほんの少しだけ無言でいたが、暫くすると彼の口は開いた。
漣と同時に、しかしはっきりと聞こえた透き通る声に思わずどきっとした。
「迷うに何も・・・ここは無人島ですよ?」
「・・・へ?」
彼の台詞を聞いて一瞬で周囲の温度が10度下がった気がした・・・。
まさかと思った。だけど肯定したら私の体は崩れ落ちてしまいそうで・・・。
目からボロボロと涙が零れ落ちたのを見て、青年はハッとした顔となる。
真人がよく向ける、面倒そうな顔などでは決してそう言うことではなかった。
まぁ・・・知らぬ人を泣かせると誰もが驚くものなのだが・・・。
青年は弱ったような顔を向けて、周囲をキョロキョロと見渡す。
いつも真人に平気だと向けていた、カラッとした笑みを作り涙を止めようとしたが今回はそうは行かなかった。
混乱と寂しさに押し潰されそうで怖くて、気持ちは耐えられず破裂したまま。
「す・・・スミマセンお嬢さん!お父さんやお母さんを見つけますから・・・!」
「・・・ヒクッ・・・あ・・・あのっ・・・!」
青年の言葉を聞いてハッとし、私はしゃっくりを上げながらでも離れようとした彼を呼び止めた。
「あの・・・、私の両親は居ないんです!」
「・・・!?」
思い切って叫ぶように言うと、青年の表情は重ねて面食らったようになる。
知らない人にこんな重いことを教えていいのだろうかと考えたが、世界が別ならどうでもよかった。
耳に入る音は漣だけとなり、私と青年は暫く時が止まったかのように動かなかった。
そして沈黙を破ったのは相手から・・・。
「それなら・・・私の船に来ますか?」
「・・・え?」
「ここで立ち竦んでも仕方ありません。
船に来れば私の仲間も居ますし、食事してゆっくり話すことも出来ます。」
本当は誘いたくないのだろう・・・苦笑いしている青年を見た私は、思わず目を閉じたくなった。
気が付かぬ内に崩れ去った日課と未来、それはあまりにも酷く、もう元に戻せないほどである・・・。
青年は水色の砂を踏み歩き、私の手を優しくとった。
まるでこれから、音楽が1曲流れて踊り出しそうな・・・とても紳士的な行為。
「私の名前はクロード・ジャス。クロウと呼んで下さい。」
「・・・クロウね、よろしく。」
ここに来て、最後に零れた雫は水色の砂浜へと隠れていった・・・。
全て手に入れたお前たちへ
一体この先、神はどちらへ味方とするのだろうか・・・?
海竜物語 ~1話 雫~
私は目を開いた瞬間、思考がほぼ停止していた。
目の前には美しい海があり、背後には今にも全てを飲み込みそうな深い森がある。
この辺ならまだ、自分が住む島かと思い込んではいられるはずだった。
記憶が正しければ、真人に言われるまま後に学校へ行き、あまりにも退屈な授業で夢見モードに入り・・・。
とにかくアレですかね、誰かの悪戯でわざわざ私を抱っこしてここまで連れて行く変人は居ないよねとの話。
私が一瞬でここは自分が住む島ではないと分かったのは・・・砂であった・・・。
辺りに広がる砂は・・・何と水色!最初は綺麗だとは思ったが、後に謎が頭の中に襲い混乱してくる。
一発で普通ではないと分かったものである。
漣立てる音以外、何1つ音が聞こえない。
直ぐにここにいるのは私一人なのだと、孤独感を感じさせられた。
何故私はこんなありえないところにいるのか。
何故こんなところに連れ込まれたのか。
そんな答えなど見つかるはずがなかった。
「そんなところで何をしている?お嬢さん。」
「!?」
不意に誰も居ないはずの背後から声がかかり、私は振り返った。
漣が邪魔をして足音をかき消したのか、それともただ単に気配を隠すのが上手いだけなのか・・・。
ただ感じたのは、一瞬現れた風の流れ・・・。
私の方へと歩み寄って来るのは、10代後半ぐらいの若い青年である。
黒いバンダナにキラリ光った金色の細い髪、黒いジャケットに身軽そうなズボンとブーツを履いている。
これらを見ればまぁ多少は怪しいものの、普通に居そうな人であった。
そう・・・これ以外のものを見なければ・・・。
「え・・・えっと・・・、ちょっと気がついたら迷子になってて・・・。」
「・・・・・・。」
何も悪いことなどしていないはずなのだが、私は自然に申し訳なさそうな動作をしてしまった。
目を逸らそうともしたが、「道案内して下さい」なんて言えるほどの勇気なんてないし・・・。
言わば私の心はチキンハーツ♪(黙れ
青年は少々戸惑っているのか、ほんの少しだけ無言でいたが、暫くすると彼の口は開いた。
漣と同時に、しかしはっきりと聞こえた透き通る声に思わずどきっとした。
「迷うに何も・・・ここは無人島ですよ?」
「・・・へ?」
彼の台詞を聞いて一瞬で周囲の温度が10度下がった気がした・・・。
まさかと思った。だけど肯定したら私の体は崩れ落ちてしまいそうで・・・。
目からボロボロと涙が零れ落ちたのを見て、青年はハッとした顔となる。
真人がよく向ける、面倒そうな顔などでは決してそう言うことではなかった。
まぁ・・・知らぬ人を泣かせると誰もが驚くものなのだが・・・。
青年は弱ったような顔を向けて、周囲をキョロキョロと見渡す。
いつも真人に平気だと向けていた、カラッとした笑みを作り涙を止めようとしたが今回はそうは行かなかった。
混乱と寂しさに押し潰されそうで怖くて、気持ちは耐えられず破裂したまま。
「す・・・スミマセンお嬢さん!お父さんやお母さんを見つけますから・・・!」
「・・・ヒクッ・・・あ・・・あのっ・・・!」
青年の言葉を聞いてハッとし、私はしゃっくりを上げながらでも離れようとした彼を呼び止めた。
「あの・・・、私の両親は居ないんです!」
「・・・!?」
思い切って叫ぶように言うと、青年の表情は重ねて面食らったようになる。
知らない人にこんな重いことを教えていいのだろうかと考えたが、世界が別ならどうでもよかった。
耳に入る音は漣だけとなり、私と青年は暫く時が止まったかのように動かなかった。
そして沈黙を破ったのは相手から・・・。
「それなら・・・私の船に来ますか?」
「・・・え?」
「ここで立ち竦んでも仕方ありません。
船に来れば私の仲間も居ますし、食事してゆっくり話すことも出来ます。」
本当は誘いたくないのだろう・・・苦笑いしている青年を見た私は、思わず目を閉じたくなった。
気が付かぬ内に崩れ去った日課と未来、それはあまりにも酷く、もう元に戻せないほどである・・・。
青年は水色の砂を踏み歩き、私の手を優しくとった。
まるでこれから、音楽が1曲流れて踊り出しそうな・・・とても紳士的な行為。
「私の名前はクロード・ジャス。クロウと呼んで下さい。」
「・・・クロウね、よろしく。」
ここに来て、最後に零れた雫は水色の砂浜へと隠れていった・・・。
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空乃 鴉
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非公開
自己紹介:
これでも学生。
趣味は絵や小説を書くこと。
嫌な事が目の前にあるとネタの神様が降臨します。神様の存在はコレしか信じられない駄目人間←
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